

湖の傍の切り株に腰掛けたエレノアの目からは次から次に涙が溢れ出てきました。
すると突然あたりがいい香りにつつまれました。エレノアが顔をあげると周りにどんどんお花畑が広がっていくではありませんか。そして花のドレスを着たたくさんのリリーワイルドが歌います。「♪エレノア、エレノア、元気をだして。私たちが美しいドレスを着ているのは、愛されるためじゃなくて愛するためなの。愛することで愛はもっともっとふえるものなの」
ひときわ美しい花にエレノアが唇を寄せると、花は二つになり四つになり、そして森を虹の七色に変えました。
湖面からはお菓子が詰まったシャボン玉が次々と浮かびあがり空に上っていきます。スージーたちが薔薇の花びらのお菓子を取り出しエレノアに手渡しました。一口食べてみると甘さの中にほんの少し不思議な味がします。「これ、何の味?」「幸せになれる“魔法のエッセンス”の味よ。」スージーが差し出した小瓶を舐めてみると、ちょっぴり苦くて塩辛い味。瓶には 「tears(涙)」の文字がありました。
「♪エレノア、エレノア。私たちが育てたお姫様。元気になるんだよ」
森の木々もエレノアを励ますように身を寄せます。小鳥たちもリスたちも集まってきました。手を広げ、すべてを抱きしめたエレノアは心から幸せそうな笑顔になりました。
花の香りと七色のシャボン玉につつまれて笑うエレノアは、昨日よりもっともっと美しい少女です。