

最終仕様の発表が間近に迫るアニバーサリードール「桃色の姫」について、ブライスのトータルプロデューサー・ジュンコ・ウォングにインタビューしました。
彼女が語る「桃色の姫」に込めた想いと、ブライスへの深い愛情をぜひご覧ください。
Q1:「桃色の姫」ではアニバーサリードールとして初めて着物スタイルが採用されました。このデザインに込めた想いや背景を教えてください。
A1:私たちは、2026年に迎える25周年に向けて歩みを進めています。
ブライスはもともと1972年にアメリカでアリソン・カッツマンによって誕生しましたが、2000年にCWCによって日本で復活を遂げたことで、世界的な注目を集めるようになりました。
この25年間、私とチームはここ日本で、今のブライスの姿を形作るために力を注いできました。
今回の着物スタイルには、彼女が「再生」されたこの国・日本への敬意を込めています。
そして、その物語を世界中に伝えたいと思いました。
Q2:名前に入っている「桃色」には、どんな意味や想いが込められているのでしょうか?
A2:ピンクはしばしば「愛」を象徴する色として知られています。
そして、愛こそがブライスという存在の核にあるものです。
日本語で「もも」は“桃”を意味しますが、日本には「桃太郎」という有名な昔話があります。
川を流れてきた大きな桃から生まれた桃太郎は、やがて強く、優しく、勇敢な青年へと成長します。
ブライスのやわらかなピンク色は、この物語へのささやかなオマージュでもあります。
彼女もまた、桃太郎のように強さと優しさを兼ね備え、家族や友人への深い思いやりを持っています。
「桃色の姫」――愛と強さをあわせ持つ、まさに彼女の姿そのものです。
Q3:デザインで特にこだわったポイントや、工夫された点について教えてください。
A3:彼女の着物には、「伝統」と「遊び心」の両方を表現したいと考えました。
ベースはクラシックな着物のスタイルに忠実ですが、あえていくつかのルールを少しだけ崩して、彼女らしい個性を引き出しました。
フリルなどのフェミニンなディテールを加えることで、どこか懐かしくもありながら、新鮮で現代的な印象に仕上げています。
それはまさに、伝統を現代の感性で再解釈した、遊び心あふれる装い。時代を超えた優雅さと、今の時代の創造性が調和したデザインです。
Q4:最終仕様の発表を楽しみにしているファンも多いと思いますが、ジュンコさんご自身は今回の仕上がりをどう感じていますか?
A4:今年のアニバーサリードールは、本当に満足のいく仕上がりになったと思います。
着物というテーマは、制作を非常に難しくしましたが、そのぶん大きなやりがいも感じました。
サンプルドレスの制作には、ドール着物作家の方にご協力いただきました。その豊かな経験と技術に、本当に助けられました。
すべてのディテールが気に入っていますが、なかでも一番好きなのは髪型です。
深みのあるダークブラウンの髪を「姫カット」でスタイリングしたことで、日本の伝統的な美しさが直感的に伝わってきます。
このクラシックなヘアスタイルと、モダンで可愛らしいピンクの着物の組み合わせが、過去と現在を絶妙なバランスで結びつけてくれています。
Q5:もしジュンコさんが「桃色の姫」とお出かけするとしたら、どこに連れて行きたいですか?また、どんな風に楽しんでほしいと思いますか?
A5:彼女は、どこにいてもその魅力を発揮してくれます。
ですが、やはり彼女の伝統的な装いを引き立ててくれる日本の風景が、とてもよく似合うと思います。
たとえば、私が毎年冬に訪れている京都はぴったりです。
その時を超えた美しさが、彼女の着物姿に完璧な背景を与えてくれるでしょう。
あるいは、ヨーロッパの歴史ある建築の中で撮影するのも素敵です。
どこに連れて行っても、彼女はその場所に自然に溶け込み、美しい写真の中でキラリと輝いてくれるはずです。
Q6:これまでのアニバーサリードールに込めてきた想いについて、改めてお聞かせいただけますか?
A6:アニバーサリードールがブライスにとってどれほど大切な存在かは、これまで何度もお話ししてきました。
ブライスのことを「ブランド」「商品」「玩具」「趣味」と呼ぶ人もいるかもしれません。
でも、私にはどうしてもそうは思えません。
私にとってブライスは、“生きている魂”のような存在なんです。
アニバーサリードールは、そんな彼女の存在を祝うものであり、彼女の命を吹き込み続ける存在でもあります。
それは、ネオブライスの遺産であり、私たちが注いできた努力――血と汗と涙の証なのです。